さて、1回分 間が空いてしまいましたが、308GTi の続きのお話しです。
その後 308GTi は、毎朝の通勤の足に、帰宅時のプチストレス解消にと、しなやかに活躍してくれています。
ちなみに通勤時間は 1時間程。つまり 1日に 2時間。1週間で12時間。1ヶ月間で約50時間もプジョーのシートに座り、プジョーの車内空間で過ごしていることになります。
走りも刺激的で、それでいて乗り心地も抜群に満足感を与えてくれるので、それだけで十分といいたいところなのですが、これだけの時間を過ごす空間となると残念ながら不十分。
音楽が流れていないと窒息してしまいそうになるほど音楽好きなので、どうしてもオーディオに手を入れたくなってしまうのです。
というわけで、少々 非常に長くなってしまいますが、今回はカーオーディオについて書いてみたいと思います。
通常、自動車のスピーカーユニットの位置はドアに取り付けてあります。プジョーもご多分に漏れず同様です。これはドアの厚み、つまり外板と内板の隙間を利用してドア自体を箱と見立てて、スピーカーボックスとして鳴らしています。
大して厚みはない様に思われるかも知れませんが、ドア内の空間は、実際にはかなりのエア容量があります。
現状のカーオーディオ環境とは、この巨大なスピーカーを、自宅のトイレ程の極小部屋で超近接拝聴しているのです。
どう考えてもオーバースペックなのですが、そのスピーカーの箱には、パワーウインドーの点検用の穴が大きく空いていたり、スピーカーユニットの取り付けにプラスチックの板を使っていたりして、完全な形ではありません。
このスピーカーボックスを完成させるために、サービスホールを鉛のシートで塞いだり、板が共振したりビビったりしないようにゴムのシートを貼って制震したりします。(ちなみにこの作業はデッドニングと呼ばれています)
ですが、先程の劣悪な環境に変わりはありません。むしろ、巨大スピーカーが完成したので、コントロールが非常に難しくなったとも言えます。
そこで、もう一つの考え方が出てきました。エンクロージャー方式と呼ばれているものです。
こちらは簡単な話で、小さなスピーカーボックスをドアの隙間に合わせて作成し、そのボックスをドアに取り付けるという方法です。
しっかりと計算して作られた箱ならば、まさにホームオーディオ用のスピーカーと同等。コントロールしやすいフラットな特性の音を出せるので、多彩なイコライジングやクロスオーバーを調整できるデッキを組み合わせれば、理想的なピュアオーディオを車内で実現できます。
自動車と道路の接点はタイヤです。どんなに高級なスポーツカーでも、1本数千円のすり減ったタイヤでは、全く本来の性能が発揮できないのは簡単に想像がつくと思います。
オーディオでいうところのタイヤの存在は、これがスピーカーに相当するということになります。
高価なデッキに交換したり、高級なスピーカーユニットにこだわったりしても、肝心のスピーカーがしっかり取り付けられていないければ、各パーツの力が出し切れず、絶対に良い音は出せません。
逆に言えば、純正のデッキとスピーカーユニットでも、スピーカーのインストールをしっかり行えば、それなりに良い音を出すことが可能です。
308 はAピラーが寝ているので、座席からフロントウインドー先端までのエアボリュームが非常にたっぷりしています。
これがオーディオ的にはとても効きます。
308 はかなり良い音で鳴りますよ。
今回私が選択したスピーカーユニットのウーファー(低域用)は直径 13cm しかありません(純正は16.5cm)。しかし、低域をバスレフポートで完全にコントロールしているので、量感はたっぷり。全く不足を感じません。
むしろ小径による効果で低音のスピード感がすさまじく、バスドラの連打等は胸が圧迫される風圧で、感動を覚えてしまいます。
ツイーター(高域用)も直接耳に届く様に、また音場を眼前に広げるために、A ピラーに設置しました。
純正の位置も、音がフロントガラスに反射して、頭上から高音が降り注ぐ様な効果をもたらせてくれるのですが、どうしても音の定位が曖昧になってしまいます。
ピラー部にツイーターを置くと、俄然、定位がハッキリして、ボーカルの口元が目の前にあるさまが手に取る様に分かり、各楽器の配置が分かってしまう程です。
こだわるのであれば、パワーアンプを追加したり、全て高価なケーブルやヒューズに交換したり、はたまた車のバッテリーをオーディオ用のものに交換すると音が良くなったりと、いくらでも湯水の様にお金をかけることも可能ですが、前述の基本を抑えるだけでも十分に良い音が出てくれます。
他にも色々ノウハウがありますので、お気軽に何でもご相談下さい。
ちなみに、巷ではワット数とスピーカーの数を気にしたりしますが、車内では普通の効率のスピーカーなら50Wで十分ですし、スピーカーはフロントのみが基本です。
映画を見るためにサラウンドにしたり、後席の方が聞こえやすい様にという目的であれば、6スピーカーや 8スピーカーも意味がありますが、ピュアオーディオならフロント左右のステレオのみ。そもそも、ホームオーディオでもサラウンド以外で後ろにスピーカーを置くなんてことはしません。
純粋なステレオでバランスの良いサウンドを聴く。
疲れた体をとても癒してくれますよ。
あなたも良い音をプジョーで奏でてみませんか。
使用パーツ
スピーカーユニット :BEWITH Reference
CDデッキ :carrozzeria DEH-P930
※あまりに オタク マニアックな内容、かつ、長文にて失礼いたしました