6月1日発売の308CCをひと足お先に試乗してきましたので、レポートします。
場所は軽井沢、この季節の軽井沢は新緑が鮮やかで、朝夕はまだ肌寒いですが過ごしやすくオープンカーの試乗には最適な次期です。
新型308CCののびやかなデザインは、この風景のなか存在感を醸し出していました。
308CCは、全長4,455mm・全幅1,820mm、全高1,430mm、307CCに比べて全長で+75mm、全幅で+60mmと一回り大きくなりました。写真では分かりづらいかもしれませんが、ドアのプレスラインやトランクフードの造形が、プジョー独特のフェリーヌ(猫科の動物)性を強調しています。特にリアデザインは、直線的になりがちなハードトップカブリオレのなか他車より魅惑的な感じに仕上がっていると思います。
エンジンは、ほかの308シリーズと同じEP6DT、1.6LDOHC直噴ターボエンジン。最高出力140PS、最大トルク240Nmを発揮します。特筆するところは、わずか1,400回転で最大トルクを発生してそれが3,500回転までつづくエンジン特性です。通常走行中によくつかわれる回転で一番力を発揮しますので、乗りやすくあまりアクセルを開けなくても走るため実燃費もよいケースが多いはずです。
朝から晴れ渡り絶好の試乗となりました。
浅間プリンスホテルの駐車場に14台の308CCが用意されていて、私の試乗車は8号車、ペルラネラブラックのGriffeになりました。シートに座るとHBモデルより15mm低くなったシートのおかげでスポーティな感じ、ステアリングの下部を平らにしたCC専用ステアリングと専用メーターが特別な車と感じさせます。
エンジンをかけると獰猛なライオンの唸り声が・・・聞こえるはずもなく軽やかなエンジン音で、他の308シリーズよりも静かに感じました。シフトをDレンジにして出発。トルクフルなエンジンのおかげで、結構力強く加速します。とくに低速からハーフスロットルで加速するときは、1.6Lエンジンでは今まで味わえないような感覚です。通常走行ではストレスを感じさせないエンジンになっています。
先導車との距離をあけフル加速をおこなったところ、さすがにスポーツカー並みとはいきませんが、必要充分以上な加速があります。フラットトルクのため、低速時の力強さから想像すると少し物足りなさを感じるかもしれませんが、スムーズでぎくしゃくせず、同乗者には好評な加速感でした。
このエンジン特性と、守備範囲の大きい4ATのギヤ比の相性がよく、息の長い加速感を演出しています。トルコンのATもプログラムの変更などで結果的にこの車にあったスムーズな乗り味になったと個人的には思います。
100km/h時の回転数は2,800回転(メーター読み)でした。
足回りは、フロントマクファーソン、リアトーションビームの組み合わせ、ショックアブソーバーはスポーツモデルのGTiと同等のものを使用しています。HBモデルに比べて前12mm、後ろ8mm車高を低くしているおかげで急な車線変更でも安定感がございます。かなり締め上げられたサスペンションですが、意外と乗り心地はマイルドです。今回は制限速度が低かったため、猫足を存分には味わえなかったのが残念です。
いよいよオープンに
センターコンソールにあるスイッチでワンタッチにオープンになるのは今までと一緒ですが、307CCではサイドガラスが下がり切ってからルーフが開閉していましたが、308CCはガラスが5cmほど下がってルーフの開閉を行います。その差5秒、約20秒で気軽にオープンにできます。
走行中は、サイドガラスを上げれば風の巻き込みが少ないため、ヘアスタイルの乱れも気にならず、助手席の人との会話も大きな声で話さなくても普段通り行えます。オープンカー専用のインテリジェントエアコンディショナーや新機能ネックウォーマー、シートヒーターなどで1年を通してオープンを愉しめる車と思います。
今回特に力を入れた点は、この気軽に1年中快適にオープンを愉しめるところであり、そこが他のオープンカーとの差になります。
オープン時もボディの剛性感は高く、安心感があります。すごく荒れた路面では、かすかにAピラーが震えますが、通常の道ではまず気がつかないと思います。
この車なら今までオープンカーに乗ったことのない方にもお勧めできます。リトラクタブルルーフの機構を感じさせない美しいデザイン。品質の高い内外装は、ワンランク高い車格のオーナー様にも満足できると思います。大人4人乗れる車ですので、2ドアの不便さは多少あると思いますが、それを補って余りある車です。個人的には、Premiumのアビサルブルー/グレージュの組み合わせが良いと思いました。外装と内装色は組み合わせができますのでお好みを選べる楽しさもあります。
私は約2年半307CCを所有していましたが、不便を感じず都内でも結構オープンにしていました。308CCは、より気軽にオープンを愉しめる車になり、品質も上がり満足感のある車になりました。
ぜひデビューフェアでお確かめください。
308CCデビューフェア 2009年6月6日、7日