しばらく涼しい日が続いたかと思えば、いきなり暑さが戻って参りました。
こんにちは、大庭です。
皆様、変わりやすい気候・気温にご体調など崩されぬよう、どうぞご自愛下さい。
さて、もう夏も終わりなので、いまさら怪談もないだろうと思ったらこの暑さですから、もう一席お付き合い下さい。
実は、このハナシは、私の体験談でございます。
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晩夏に冬のハナシなので、季節感に乏しく恐縮でなのですが…あれは、もう30年も前。
私が紅顔の美少年だった(自称)高校2年の冬でした。
その日の朝は、どんよりとした重い雲が垂れ込めてはおりました。
そして登校して間もなく白い牡丹のような雪が降り始めたかと思いきや、
見る見るうちに白く街を覆いつくしてしまいました。
学校は午前中で終わりとなり、私も友人と二人で雪が降りしきる中を家路につきました。
当時、私達は自転車で通学しており、何となくはしゃぎながら、
気合と根性で30センチ以上の積雪の中でペダルを漕いでおりました。
さて、通学路の途中には、米軍の通信施設がありました。
だだっ広い野原に大きな鉄塔が幾つもそそり立っているという場所です。
その野原を突っ切るのが近道なので、毎日そこを通っていたのですが、
大雪の中でも、「面白いから、通信隊を通って行こうぜ!!」とばかりに、一面真っ白な雪原に踏み込みました。
降りしきる雪でホワイトアウトしそうになりながら進む姿は、八甲田山さながらです。
-と、私は、その雪原に、点々と続く足跡がある事に気づきました。
まだ雪に埋もれてもおらず、つい今しがたついたばかりのようです。
その足跡は、大きさから言って、女性のもののようです。
「おい見ろよ、俺たち以外にも物好きがいるぜ」と友人と笑っておりましたが、次第にその足跡が
本来の道から逸れて行くにつれ、「あれ、この人、道に迷ったんじゃないか?」と心配に…。
もともと道があってないような原っぱですから、この深い雪の中では方向を誤ってもおかしくない。
人里離れた場所ではないにせよ、下手すれば30分や1時間は雪の中をさまよう事になるかもしれません。
それは少々気の毒です。
降りしきる雪を透かして、足跡の向う方を見ても、人の姿は見えません。
ちょっと、見にいくか…と、二人で足跡を辿って行きました。
雪はますます勢いを強め、ちょっとした吹雪のようになってきました。
その中を、全身雪まみれになりながら、自転車を押して足跡を辿ります。
しかし、ものの数分もしないうちに、その足跡は、
ぷっつりと途絶えてしまいました。
???あれ、足跡、消えちゃった???
まさか、その辺に倒れているんじゃ?
と、あたりの雪を掻いてみますが、そもそもそんな形跡もありません。
しばらく辺りを捜索?しましたが、猫の子一匹見当たりませんでした。
狐につままれたようになった私たちがそのまま私の家に行き、ようやく人心地がついた時、
友人がつぶやきました。
「さっきの足跡、やっぱりヘンだよな…」
まあなぁ…とうなづく私にさらに彼は言いました。
「だってさ、あの足跡の深さ、5センチもなかったよな…。
俺たちだって、膝の上まで雪に埋まりながら歩いてたのに…なんで、雪に沈まずに、歩けたんだろう…?」
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という訳で、ちょっと不思議な思い出話でした。