アクセスマップ

プジョー中央ショールーム

住所〒104-0053 東京都中央区晴海2-5-24
晴海センタービル1階
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TEL03-6228-2011

営業時間10:00-18:30

定休日毎週水曜日
>営業日カレンダー
※年末年始・ゴールデンウィーク・お盆期間は定休日以外にもお休みを頂く場合がございます。

アクセス方法車でのアクセス:
首都高速10号晴海線「豊洲出口」から約3分
首都高速都心環状線「銀座出口」から約10分

電車でのアクセス:
都営地下鉄 大江戸線「勝どき駅」A2出口より徒歩約8分
ゆりかもめ「新豊洲駅」より晴海大橋を渡り徒歩約10分

都営バスでのアクセス:
都03/都05/東15/錦13「晴海3丁目バス停」より徒歩約3分

スタッフブログ

【怖タケト】最後の客

[2015/08/04]セールス   猪股 慎弥
【怖タケト】最後の客
あの夜は、深夜になってもなお、昼間の暑気が気怠く街を包んでおりました。


終電を降りた私は、駅前のタクシー乗り場に向かいました。

そこには6畳程の広さの待合室があり、暑さに疲れ切った顔でタクシーを待つ客が数人、長椅子に腰をおろしています。

私が待合室の一員となると、その後には、女の人が一人来たきりで、それで客足は途絶えました。

どうやら、白いブラウスを着たその女の人が、本日最後の客になる様です。


【怖タケト】最後の客
1台、また1台とタクシーがやってきては、客を拾って走り去って行きます。

自分の番になり、タクシーに乗り込んで行き先を告げます。

運転手さんは待合室の様子を伺い、「お客さん、ちょっと待ってて下さい」と言い残し、

車を降りて待合室の電気を消しに行きました。

(そう言えば、最後の客を乗せたら、電気を消すんだったな…)

以前、何度か自分が最後の客になった時、同じ光景を見た事を思い出しました。

(でも、まだ一人残ってるのに…)

暗くなった待合室の中には、さっきの白いブラウスを着た女の人がじっと座っています。


運転手さんは、車に戻るや、無線を取り「○○駅前、終了しました」と報告しています。

「ちょっと、運転手さん、まだ一人お客さんがいますよ?」

見かねて声をかけると、運転手さんは何故か心なしかぎくりとしながら、「え…どこにです?」と怪訝そうな顔を作ります。

「いや、ほら、待合室の中に…」

待合室を見ると、女の人は立ち上がり、するするとこちらに歩いてきます。


【怖タケト】最後の客
-いや、歩いていない…。


足を動かさず、まるで氷の上を滑るように、するすると、近づいてくる…。


車の間際まで来たその女の人は、無表情で、窓越しに私を見つめています。

「い、いや、いいです!!早く出して下さい!!」

私の震える声と共に、車は走り始めました。


振り向く事も出来ず、シートの上で固まっていると、運転手さんが、ぼそりと言いました。


「お客さん、見なかったことにした方が、いいですよ…」